EXHIBITION | TOKYO
ヤン・ゲルストバーガー(Yann Gerstberger)
「URUBU NOIR」
<会期> 2026年9月26日(土)- 10月24日(土)
<会場> Taka Ishii Gallery Kyobashi
<営業時間> 11:00-19:00 日月祝休
タカ・イシイギャラリー 京橋は、9月26日(土)から10月24日(土)まで、ヤン・ゲルストバーガーの個展「URUBU NOIR(ウルブ・ノワール)」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでは2023年以降2度目の個展となる本展では、新作のペインティング作品8点を展示いたします。
ゲルストバーガーは本展「URUBU NOIR」のために、1枚の大きな壁画の断片とみなせる新しい絵画のシリーズを制作しました。個々の作品は自立しつつも、組み合わさることで1つの構成を形作ります。このアイデアの根源にあるのは、個々の場面が別々に描かれながらも、より大きなイメージの一部として体験されることを意図していた15世紀イタリアの偉大なフレスコ画の連作です。
本シリーズの出発点となっているのは、クロコンドル(学名: Coragyps atratus、別名: アメリカン・ブラック・ヴァルチャー、メキシカン・ヴァルチャー、ソピロテ、ウルブ、ガリナソ)です。この鳥はアメリカ大陸の広範囲に生息し、メキシコ全域でよく見られます。ゲルストバーガーは、コンドルの群れが集まり、太陽に向かって翼を広げたまま立つ姿に関心を持ちました。日光浴をするこの習性により、鳥たちは黒い羽に太陽の光を浴びせることができます。それは体を温めて乾かす助けとなり、寄生虫や微生物を減らす効果もあると考えられています。
作家にとって、この何気ない日常の習慣が本展の出発点となるイメージになりました。群れをなして立ち、太陽に向かって翼を広げる黒い鳥たちの姿は、それ自体がまるで絵画のようです。翼は反復的な形態を作り出し、群れが一体となって集合的な風景を作り出しています。また、このイメージには変容の感覚も宿っています。鳥たちは太陽の光を取り込み、自身の体にとって役立つものへと変えているのです。
出展作品には新しい技法が用いられています。ゲルストバーガーはまず、メキシコの太平洋沿岸で採取し濾過した砂をキャンバスに覆うことから始めます。その上から工業用塗料を幾重にも塗り重ねた後、油絵具で描き込んでいきます。このプロセスにより、伝統的なキャンバス地というよりも、石やコンクリート、あるいは洞窟の壁面のような質感を持つ、ざらざらとした重厚な表面が生み出されます。あたかも壁面に直接描いているかのようにそれぞれの作品にアプローチし、壁画のような存在感を帯びるまで、ゆっくりと画面を構築していきます。
またこのシリーズは、色彩の変化も示しています。過去の作品に見られたような明るく多彩なパレットの代わりに、「URUBU NOIR」ではシルバーやグレー、そして青、黒の色調を中心に構成されています。砂質の表面を光が移動することで、金属のような輝きを放つ部分もあれば、暗く光を吸収する部分も生まれます。
ゲルストバーガーの制作は長期にわたり、絵画とテキスタイル、工芸と工業用素材、抽象と具象の間を行き来してきました。これまで綿繊維、モップ、工業用布などの日用品を用い、色彩、ステッチ、織り、描写、コラージュを通してそれらを作品へと昇華させてきました。そこから生み出されるイメージは、自然、大衆文化、美術史、そしてメキシコでの身の回りの環境といった、本来は相容れない要素を一つに結びつけています。
「URUBU NOIR」では、コンドルというモチーフと壁画というアイデアを通じて、こうした多様な関心が一つに収斂しています。個々の絵画は巨大な壁の一部であり、太陽へと向かうコンドルの日常的な営みは引き寄せあい、光に身をさらし、新たな姿へと生まれ変わることについてのメタファーとなるのです。
Taka Ishii Gallery Kyobashi(タカ・イシイギャラリー京橋)
https://www.takaishiigallery.com/jp/
東京都中央区京橋1-7-1 BUILDING 3F
tel:03-6434-7010
