<会期> 2021年5月22日(土)ー 6月19日(土)
<会場> 小山登美夫ギャラリー
<営業時間> 11:00-19:00 日月祝休
この度小山登美夫ギャラリーでは、戦後日本美術を代表するアーティスト、菅木志雄の新作展「集められた<中間>」を開催いたします。
菅は当ギャラリーにおいて毎年精力的に個展を開催していますが、本展では「ものは無常で流動的なものであり、作品はそのプロセスである」ということを焦点に作品を展開。
ギャラリースペース奥の部屋全体を使ったインスタレーションの新作と、壁面の立体作品の新作を発表いたします。
【菅木志雄について
-50年以上の第一線での活躍、今年岩手県美での回顧展 -】
菅木志雄は60年代末~70年代にかけて起きた芸術運動「もの派」の主要メンバーとして活動。「もの派」の、それまで作品の素材でしかなかった「もの」自体や「もの」を知覚する人間へ目を向けた動向は、海外でも近年、国際的な評価が高まりました。
菅は50年以上にもわたり第一線で活躍し、鋭敏な感覚で制作し続けるその情熱は衰えることがありません。またインドの中観哲学における「空の思想」と、京都学派の論考、日本の作庭などに共鳴した制作における独自の思考を深化させ、現代アートにおける独自の地平を切り開いています。
展覧会としては、1968年の初個展以来、国内外で約400以上のものに参加してきました。
今年2021年12月~2月には、菅の出身地である岩手県立美術館において、大規模な回顧展「開館20周年記念 菅木志雄展 〈もの〉の存在と〈場〉の永遠」を開催。50年以上に渡る菅の制作活動を約100点もの作品でお見せする予定です。
そのほか国際的な活躍は枚挙に暇がありません。主な展覧会歴はこちらをご覧ください。
作品は、ニューヨーク近代美術館、ポンピドゥ・センター、テート・モダン、東京国立近代美術館、東京都現代美術館をはじめとした国内外47もの美術館・アートコレクションに収蔵されています。
【菅の作品制作について】
菅はまず制作の前提において、ものに対する既成概念を徹底的に問い直し、ものの本質や存在性(リアリティ)とは何かを再認識します。 そして日常よくある木や石、金属、ガラス、ロープなどのもの同士を並べ、つなげ、切ったり、曲げたり、わずかでさりげない行為によって「もの」の存在の深淵を表します。
さらに木枠、床置きの板、窓枠、部屋全体、水面、外部空間など、様々な場を作品の「フレーム」として、ものが最大限活きる場所に配置します。
そうしてもののちょっとしたずれの連続性や、相互に依存しあう様、その差異、複雑さなどが表出されることにより、菅作品の「もの」はまるで生き生きとしているかのように私たちが今まで見たこと、感じたことのないような景色や状況を表すのです。
また人の意識や空間など、目に見えない部分も「もの」と等価に、並列に捉えることも大きな特徴です。「もの」と「もの」、「もの」と「場」、「もの」と「人」の関係を活性化させ、見るものに新たな空間認識を働きかけます。
【本展「集められた<中間>」と、新作について
– ものの無常、プロセスの集合体 – 】
菅はこのような長年の制作活動の中で通底する思考がありつつ、基本的に「同じことはやらない」ように毎回異なる関心を持ってきました。 本展に際し、次のアーティスト・ステートメントを記しています。
TOMIO KOYAMA GALLERY (小山登美夫ギャラリー)
http://tomiokoyamagallery.com/
東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
tel:03-6434-7225