EXHIBITION | TOKYO
宮本隆司(Ryuji Miyamoto)
「薄明のなかで見よ」
<会期> 2012年9月28日(金)- 10月27日(土)
<会場> TARO NASU
<営業時間> 11:00-19:00 日月祝休
ある日スイスからピンホール・カメラが送られてきた。送られてくるまでの経緯は省くが、ピンホール・カメラ制作家とでもいうような人から提供されたものである。送られてきたカメラは厚紙を材料にして作った素朴な手作りカメラであった。6 x 17 cmサイズのブローニー・フィルムを使用して、ほぼ120度の画角を捉えるパノラマ・カメラである。
ピンホール・カメラでの撮影にはピントを合わせるという操作が無い。あらかじめ全てに柔らかくピントが合っているためである。フレームを切り取るというような操作も無い。ファインダーが存在しないから、いいかげんに画面を設定することしか出来ないのだ。さらに露光時間が長い、そのために動くものを写すのがむずかしい。撮影にえらく時間と手間がかかり、ほとんど何の役にも立たない時代錯誤な代物てある。
この無い無いづくしのピンホール・カメラが写し出すのは、不鮮明でつかみどころのない不確かな世界である。だが、ピンホールを通過した柔らかくていいかげんで曖昧に見える写真は、レンズ、フォーカス、フレーム、シャッター・スピードなどカメラの基本的な機能を極限まで取り去った果てに、それでもなお見えてくる世界の光景なのである。
宮本 隆司
宮本は1990年代より「ピンホールの家」シリーズを展開してきました。大型のピンホール・カメラをダンボールで組み立て、宮本自身がカメラの内部に入り込み撮影を行うその独特のスタイルは、ホームレスが居住するダンボール・ハウスに着目した「CARDBOARD HOUSES」シリーズより派生しています。その後ピンホール作品は宮本の活動を語る上でも重要なキーワードの一つとなっています。本個展ではスイスから提供されたピンホール・カメラで撮影した新作約30点を展示の予定です。
TARO NASU(タロウナス)
https://www.taronasugallery.com/
東京都港区六本木6-6-9ピラミデビル4F
tel:03-5786-6900
