EXHIBITION | TOKYO
スティッキーモンガー(Stickymonger)
「See-Through」
<会期> 2025年11月22日(土)- 12月27日(土)
<会場> NANZUKA UNDERGROUND
<営業時間> 11:00-19:00 日月休
この度NANZUKA は、Stickymonger(スティッキーモンガー)の新作個展「See-Through」をNANZUKA UNDERGROUND にて開催いたします。本展は、2023年にNANZUKA 2Gと3110NZ by LDH Kitchen(現・鮨さいとう はなれ NANZUKA)において開催した「D.D.D」に続くNANZUKAでの2度目の展覧会であり、メインギャラリーにおける初個展となります。
スティッキーモンガーは韓国に生まれ、ニューヨークを拠点に活動しているアーティストです。梨花女子大学(ソウル)でビジュアル・インフォメーション・デザインの学士号(BFA)を取得したのち、プラット・インスティテュート(NY)でデジタルアートの修士号(MFA)を取得しました。これまで、Ross + Kramer Gallery(NY、マイアミ)、WOAW Gallery(マイアミ)、Villazan Gallery(マドリード)、For You Gallery(パリ、ドバイ)、Allouche Gallery(NY)、AFA Gallery(NY)など、世界各地のギャラリーで個展を開催しています。また、作品はArt Basel Miami Beach、Frieze Seoul、Frieze New Yorkといった国際的なアートフェアにも出展されています。さらに、NY のパブリックアート 「The World Trade Center “Mural Project”」における巨大壁画や、D Museum(ソウル)でのグループ展への参加など幅広く活動しています。
スティッキーモンガーは、シュルレアリスム運動や、70年代末から90年代の映画、さらに日本の漫画やアニメの影響を受けつつ、現実と想像、無邪気さと恐怖といった対照的な要素を自在に融合させ、人間の感情の奥深さを探求してきました。 また、技法の面では、初期からスプレーペイントを用いて制作を行っており、ストリートアートやグラフィティに伝統的に結びつけられてきたこのメディウムの、現代美術における可能性を追求しています。単に画面を塗りつぶすのではなく、圧力の操作や水性および溶剤系スプレーの組み合わせによって、予測不能な線や飛沫、独特の質感を生み出しています。さらに、ルネサンス期の油彩技法やゲルハルト・リヒターによる、表面の絵の具を削ぎ、削る手法など、巨匠たちの技法を融合させたこの実験的アプローチ「スプレーペインタリー」は、作品に深みと複雑さ、そして絵画的表現の豊かさをもたらしています。
本展では、「See-Through」をテーマに、日常のオブジェと非現実的な情景を重ね合わせ、 ユーモアと省察が交錯する瞬間を繊細に描き出した新作スプレーペイント21点を発表いたします。
「See-Through」という言葉には、スティッキーモンガーの想像力を刺激する神秘的な意味が隠されています。
光を通して世界を眺めるとき、私たちは自分を画すと同時に他者を覗き見ている。すべてを差し出すことなく欲しい分だけを受け取りたいという欲望が、内なる力を生み出している。そして、「See -Through」という言葉の文字通りの意味−「透かして見る」ことにもまた魅了される。 本棚を見れば、その人の内面が「透けて見える」というように、 モノと視線は、いつも薄い透明な膜を隔てて私たちをつないでいる。本展は、そうした「See-Through」の多面性を原点に生まれた。見せることと隠すこと、可視と透過、そのあわいを揺れ動く微妙な均衡。 その綱渡りのような緊張こそ、この言葉の本質なのだ。
− スティッキーモンガー
本展の新作では、ネオンカラーのサングラスやサンバイザー、憧れのヴェール、お気に入りの雑貨が詰まったすりガラスの棚、カラフルに艶めくグミやゼリー、といった、どこかノスタルジーを感じさせる日常のオブジェがたくさん描かれています。90年代の波乱の韓国に生まれ育ち、その後NYに移住しキャリアを築いているアーティスト本人の歴史を透かして見ているかのような錯覚にも陥ります。
ここに登場する非現実的な世界を生きる少女たちの姿は、韓国、アメリカ、そして日本の3つのポップカルチャーの影響が濃密かつ絶妙に絡みあって生まれた「かわいい」を体現しています。「隠したいけれど、ほどよく見せたい」「一人でいたいけれど、他者とつながりたい」といった、 少女たちのアンビヴァレントな二つの心理を、スティッキーモンガーは自分を実験台にして巧みに操って私たちに見せているのかもしれません。
本展を皆様にご高覧いただけますと幸いです。
NANZUKA UNDERGROUND(ナンズカアンダーグラウンド)
https://nanzuka.com/ja
東京都渋谷区神宮前3丁目 30-10
tel:03-5422-3877
