EXHIBITION | TOKYO
ジャン・コール(Jang Koal)
「Solitary Inn」
<会期> 2025年5月16日(金)- 6月21日(土)
<会場> NANZUKA UNDERGROUND
<営業時間> 11:00-19:00 日月休
この度NANZUKAは、ソウルを拠点に活動するアーティスト、Jang Koal(ジャン・コール)の新作個展「Solitary Inn」をNANZUKA UNDERGROUNDにて開催いたします。本展はジャン・コールにとってNANZUKAでの3度目の展覧会であり、初めてメインギャラリーにおいて開催される展覧会となります。
ジャン・コールは、桑を原料とした韓国の伝統的な手漉き「韓紙(ハンジ)」に描かれる現代的な女性の肖像で知られ、伝統と現代性の入り混じる作品世界を創りあげています。
「Solitary Inn (고독한 여관 / 孤独の宿)」と名づけられた本展は、個人が過去の記憶や内面世界に静かに浸る、孤独でありながらもどこか安らぎを覚える瞬間たちのために用意された架空の宿(Inn / 여관)をテーマにしています。車の後部座席、木漏れ日、水槽といった「部屋」はいずれも、闇と神秘、恐れ、そしてひそやかなときめきに満ちた私的な場所です。その空間は、過去の記憶を思わせる光で色づくと同時に、やがて到来する瞬間の影が息づいているかのような神秘性を湛えています。
ジャン・コールはソウルのアトリエにある窓を、自身の感情を投影するキャンバスとして捉えています。制作の合間に同じ窓から見える景色の中には、作家自身の揺れ動く心が映し出されているかのようだと語ります。窓から見える街の煉瓦や電線、生い茂る草木の間をすり抜ける孤独や寂しさ、そして時折差しこむ希望の光。それらが心に染み込んだ痕跡が、意識の奥に沈んだ記憶とともに、韓紙という「鏡」の上にそっと描き出されています。
「Solitary Inn」は、架空の宿。
この場所は、誰かの訪れを待つことはない。
それぞれの部屋は、ただひとりのための空間。
人生の断片、忘れがたい望み、かすかな記憶の残り香が、ここに静かに佇む。
江の人物は、誰かの肖像ではない。
彼らはすぐには読み解けない、どこか曖昧で捉えがたい存在。
それぞれの部屋の中にとどまりながら、執拗なほど濃密なうちなる世界を抱えた、孤独な存在。
訪れる人は、「Solitary Inn」の部屋を巡りながら、ふと、ある一室にとどまるかもしれない。
ある部屋は、かつて心に浮かんだ思考のように感じられ、また別の部屋は、まだ出会ったことのない感情のように、そっと心に触れるだろう。
ここは、とどまる場所であり、通りすぎ流場所でもある。まるで、人生のように。
− ジャン・コール
本展では、新作ペインティング15点を展示いたします。
本展を皆様にご高覧いただけますと幸いです。
NANZUKA UNDERGROUND(ナンズカアンダーグラウンド)
https://nanzuka.com/ja
東京都渋谷区神宮前3丁目 30-10
tel:03-5422-3877
