EXHIBITION | TOKYO
竹林玲香(Reika Takebayashi)
「A petal falling」
<会期> 2026年4月4日(土)- 5月2日(土)
<会場> Taka Ishii Gallery (complex665)
<営業時間> 12:00-19:00 日月祝休
タカ・イシイギャラリーは4月4日(土)から5月2日(土)まで、竹林玲香の個展「A petal falling」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでは2回目の個展となる本展では、ペインティング作品5点を含む最新作を発表いたします。
竹林は自らが体験した風景を視覚表現として再び立ち上げる試みに一貫して取り組んできました。拠点を置く京都の豊かな自然観察を出発点に、海外での旅や長期滞在を通じて現地の生活や歴史に触れた経験が制作の根底にあります。それはある地点から見た景色の表層をなぞりスナップショットのように再提示することではなく、その細部や深部にある、五官をもって知覚した彩り豊かなことがらを捉え、具象と抽象を織り交ぜながら画面上に定着させようとする取り組みです。
地衣類や苔類の繁殖形態のほか砂礫の生成構造などに関心を寄せていると語る竹林の作品では、土地に固有の構成要素がミクロの視点をもって拾い上げられ、質感とともに作品の中でかたちをとります。大小の動きを伴う絵筆のストロークは薄く溶かれた絵の具をキャンバス上に重ねてゆき、モチーフとなる場の空気感を包み込むようにして画面に穏やかな揺らぎを与えています。色彩は、見たものを再現する写実的役割に限定されることなく、作家が抱いた印象をつなぎとめる手がかりとして作用します。竹林の作品を前にして全体と細部を行き来する鑑賞行為は、風景を前にして感覚をひらき複合的に処理するプロセスと重なり、自然がもたらす様々な刺激が視覚表現へと収斂していくさまを見てとれます。
移ろいゆく眺めの中で生じつつある現象を留めようとする竹林の姿勢は、私たちを取り囲む大小の時間軸へと意識を向けさせます。打ちつける水が岩壁を少しずつ削り取っていく浸食作用や、細胞が徐々に分解されることで花弁が散るまでの経過など、身のまわりの自然現象の進度を直接目にすることはできませんが、そこには人の認知を超えた時間の流れが確かに含まれています。こうした観点と密接な結びつきを有する竹林の作品もレイヤーを緻密に重ねて描き起こされ、制作そのものがまた時間の積層であることを示唆しています。
絵画と並行して制作を続けている陶板作品においては、形態への実験的な関心を維持しつつも、複数のセラミックを併置させてスケールを拡大するなど積極的な展開が試みられています。本展で新たに発表される水性樹脂を使用した作品は、表面に立体的な痕跡を作り出した型をベースに成形されており、石膏に類似した独特のテクスチャーを持つことに特徴づけられています。可塑的な粘土や流動的な樹脂が最終的に硬化する過程では、メディウムと触れあう「手探り」をもって物質へとアプローチする作家の実践が垣間見え、柔らかさと硬さ、安定と不安定といった両義性がグラデーションを伴って取り込まれています。
Taka Ishii Gallery (complex665)(タカ・イシイギャラリー)
https://www.takaishiigallery.com/jp/
東京都港区六本木6-5-24 complex665 3F
tel:03-6434-7010
