EXHIBITION | TOKYO
森山大道(Daido Moriyama)
「写真集『ACCIDENT』インスタレーション展」
<会期> 2011年9月22日(木)- 10月22日(土)
<会場> Taka Ishii Gallery Photography / Film
<営業時間> 11:00-19:00 日月祝休
タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムは、9月22日(木)から10月22日(土)まで、森山大道 最新写真集『ACCIDENT』によるインスタレーション展を開催いたします。
現在、写真集それ自体をひとつの作品として認識する考えは世界的に定着しており、なかでも近年日本で発表されてきた写真集は、極めて個性的な存在として国外においても高く評価され、確固としたジャンルとして位置付けられています。その動向の中心となっているのは、1960年代から70年代に刊行された写真集であり、名作として位置付けられるものの多くに森山大道の写真集があります。
写真集『ACCIDENT』は、異例の大型製本に挑戦しています。蛇腹製本により各ページをつなげ、その全長は20メートルにおよびます。ページごとに一枚一枚、複数版を使ったシルクスクリーンで仕上げられ、森山の真骨頂でもある、写真と媒体との調和による「像」を具現化しています。
「アクシデント」シリーズは、『アサヒカメラ』誌上で1969年から1年間連作として発表され、今回初めて写真集として纏められます。別紙に、森山自身による本プロジェクトへの意欲的な言葉をご紹介いたします。
また、本展は2011年11月にNYのアパチャー・ギャラリーへ巡回する予定です。
『ACCIDENT』について
もともと現実のコピーである写真は、さらにどんな媒体にリプリントされるかによって変わっていくものだ。イメージが、いかなる手段によってどう立ち現れてくるかによって、形ばかりか、内容をも決定づけていくものだ。『アサヒカメラ』誌上で1969年に1年間連作した「アクシデント」シリーズを、今回、シルクスクリーン印刷によって”プリント”してみた。すると、このシリーズがもともと内包していたコンセプトがさらに尖鋭化し、さらにアクチュアルなイメージとなって生まれ変わったのだ。イメージと複製とのあいだの危うい均衡は、ある意味、写真を撮る「行為」と撮る瞬間の「意図」のあいだに生じる緊張感に似ている。シルクスクリーンという方法を用いたことで、この「イメージ/複製」、あるいは「行為/意図」といった二者が火花を散らかすような衝突、文字通りもうひとつの「アクシデント」を引き起こすができたと思う。
「アクシデント」シリーズは、1960年代末から70年代初頭にかけて撮影した。この時代は日本に限らず世界各地で新たなる政治に対する意識が芽生えはじめていた。東京の路上でもあちこちでデモや学生運動が日々突出する”政治の季節”だった。ぼくたち写真家も、当然のことながらこうした社会状勢から目をそむけることはできなかった。しかしぼくは、当時、写真というメディアに対する疑念も合わせて抱えていた。それは、写真が事実を直接的に記録できるメディアであると同時に、わたしたちが実際に目にしたイメージ−ニクソン事件やベトナム戦争−と現実とが全く乖離しており、写真が必ずしも真実を写すメディアではないという問題だった。写真は真実であり、それは同時に嘘でもある−写真のイメージが持つ二重性・背反性に大いなる疑義を感覚しつづけていた。しかし、このような写真の真偽性・多重性が、写真表現の可能性をむしろ押し広げることにもつながっていくのだ。写真は一時の固定概念を超え、言語を超えた言語ともなりうるのだ。
今回、「アクシデント」シリーズをシルクスクリーン印刷によって初めて1冊にまとめ、以前にも増して、鮮明なイメージとインパクトがもたらされたのではないか。
2011年6月 森山 大道
Taka Ishii Gallery Photography / Film(タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム)
https://www.takaishiigallery.com/jp/
東京都港区六本木5-17-1 AXISビル 2F
tel:03-5575-5004
